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別府 航早さんが「第 39 回 井上研究奨励賞」を受賞しました。

  • 2022年12月19日(月)

 Aalto University 博士研究員の別府 航早さん (2021 年度 大学院理学府 物理学専攻 博士後期課程 修了) が「第 39 回 井上研究奨励賞」を受賞しました。公益財団法人 井上科学振興財団では、財団設立の 1984 年度から井上研究奨励賞の贈呈事業を行っています。理学、医学、薬学、工学、農学等の分野で過去 3 年の間に博士の学位を取得した 37 歳未満の研究者で、優れた博士論文を提出した若手研究者に対し、井上研究奨励賞(賞状・メダル及び副賞 50 万円)を贈呈します。2022 年度は関係 369 大学に候補者の推薦を依頼、35 大学から 123 件の推薦があり、選考委員会における選考を経て 40 件が採択されました。

受賞者

別府 航早 (研究当時:大学院理学府 物理学専攻 博士後期課程、現所属:Aalto University 博士研究員)

研究テーマ

アクティブマターが示す秩序構造の幾何的設計原理:バクテリア乱流から細胞骨格系まで

研究概要

 鳥や魚、バクテリアやタンパク質のようにエネルギーを費やしながら自律的に動く物質群 (アクティブマター) は、互いに相互作用して群れなどの秩序形成を示すことが知られています。その中でも最も複雑であり、しかし多くの研究者を引きつける現象が、群れをなすアクティブマターが不規則にうごめくアクティブ乱流です。アクティブ乱流はバクテリアからコロイド微粒子など粘性が支配的なミクロな物質群で起こる点で古典的な粘性流体の乱流現象と異なっているものの、多数の渦の集団とみなすことでその統計的性質が明らかになるなどの共通点もあり、生命システムと物理現象をつなぐ重要性を持つことが近年注目を集めています。別府さんは、アクティブ乱流に潜む未知法則の解明を目標として乱流の組成たる渦の物理学に着目し、その背後にある幾何学的普遍性を実験・理論の両面から明らかにしました。

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