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庭瀬 暁隆さんが第 17 回 (2023 年) 日本物理学会「若手奨励賞」と第 29 回原子核談話会「新人賞」を受賞しました。

  • 2022年10月27日(木)

 高エネルギー加速器研究機構 素粒子原子核研究所 和光原子核科学センター 博士研究員の庭瀬 暁隆さん (大学院理学府 物理学専攻 博士後期課程 修了) が 第 17 回 (2023 年) 日本物理学会「若手奨励賞」と第 29 回原子核談話会「新人賞」を受賞しました。この賞は、実験核物理分野で優れた研究を中心的に行い、世界的にインパクトのある論文を公表した将来性ある若手研究者を顕彰するために制定されています。

受賞者

庭瀬 暁隆 (現所属:高エネルギー加速器研究機構 素粒子原子核研究所 和光原子核科学センター 博士研究員)

研究テーマ

超重核の直接質量測定

研究概要

 本研究では、世界初となる超重核の直接質量測定を目指して新検出器 α-TOF の開発を行い、105 番元素 Db の質量測定実験を遂行した。α-TOF は従来の飛行時間検出器に Si 検出器を組み込むことにより、重イオンの飛行時間信号の取得とそれに続いた α 崩壊事象の相関取得を可能とした検出器である。この開発により、1 日に数イベント以下の極めて稀な事象においても、崩壊事象を核の足跡とすることで確度の高い精密質量測定が実現できる。実験の結果、4.5 日のビーム照射で総計 11 事象の 257Db の飛行時間と α 崩壊の相関事象を観測し、その質量を 1 ppm の精度で決定した。α-TOF 検出器の開発によって精密質量と α 崩壊特性の相関計測という新たな測定手法を開拓し、世界初となる超重元素同位体の直接質量測定に成功した。

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