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岡崎 准教授と山之内 技術職員らの研究グループが、「はやぶさ 2」サンプル収納コンテナの外にあった小惑星リュウグウ粒子を発見しました。

  • 2022年10月24日(月)

ポイント

  • 小惑星リュウグウから約 5 グラムの試料を持ち帰った「はやぶさ 2」のサンプル収納コンテナの外部、蓋とコンテナ本体の隙間に、約 1 ミリメートルの黒色の 2 粒子を発見。
  • コンテナ開封前に発見された、これらの未知粒子は、その後の鉱物学的・岩石学的研究により、小惑星リュウグウ粒子であることが判明。地上の類似隕石でないことも確認。
  • サンプル格納チャンバーから飛び出した粒子が、蓋とコンテナ本体に挟まれ、地球に帰還したものと考えられ、将来ミッションのサンプル採取機構設計にも活かせる新たな知見。

概要

 小惑星探査機「はやぶさ 2」が持ち帰った小惑星リュウグウのサンプルはミッションの成功基準 0.1 グラムを大きく上回る、およそ 5 グラムでした。東京大学 大学院理学系研究科の橘 教授ら「はやぶさ 2」サンプラーチーム、宇宙科学研究所地球外物質分析グループを中心とする研究グループは、2020 年 12 月にサンプルが収納されていたコンテナ (サンプル収納コンテナ) を開封する直前に、コンテナの蓋とコンテナ本体の間の隙間に発見された黒色の 2 粒子の組織観察や構成鉱物の元素分析をおこない、これらの粒子が小惑星リュウグウ由来であることを明らかにしました。地上ですでに発見されているリュウグウに類似した隕石ではないことも確認されました。これらの粒子は「はやぶさ 2」がサンプル収納コンテナを密封する前に、宇宙空間で外に飛び出し、コンテナ蓋とコンテナ本体の間に挟まれたまま、地上に帰還した粒子であると考えられます。これらの粒子の存在は、コンテナの密封性能に影響を与える可能性もあり、今後のサンプルリターンミッションにおけるサンプル収納機構の設計にも活かすことのできる新しい知見です。(https://doi.org/10.2343/geochemj.GJ22017)

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