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加藤 修三さんが日本物理学会「学生優秀発表賞」を受賞しました。

  • 2022年5月6日(金)

 大学院理学府 物理学専攻 博士後期課程 1 年の加藤 修三さんが日本物理学会「学生優秀発表賞」を受賞しました。この賞は、日本物理学会大会における若手の優秀な発表を奨励し、大会をより活性化するために設けられ、物理学会正会員のうちの大学院生または学生会員による学会発表を対象に授与されています。加藤さんは第 77 回年次大会 (2022年) の学会発表が評価され、この賞を受賞しました。

受賞者

加藤 修三 (大学院理学府 物理学専攻 博士後期課程 1 年)

研究テーマ

無細胞発現系における液滴形成と成長のダイナミクス

研究概要

細胞内にみられる液滴 (生体分子凝集体) の形成は高分子系の液液相分離現象によって基礎付けられることが近年の研究より示唆されている。しかしながら、細胞内相分離は古典的相分離にはない細胞環境特有の物理条件 (構成要素の複雑性、非平衡性、膜による区画効果、分子混雑効果等) が現象を複雑にしていることから、そのメカニズムは未解明の点が多く存在する。本研究では E.coli 細胞質由来の無細胞発現系を用いて、液液相分離による液滴の形成を詳細に解析した。マイクロサイズのウェルを用いた相分離実験から、共存高分子の濃度依存的に液滴の接触角が変化することがわかった。これらの結果は共存高分子が液滴のぬれ性に寄与することを示唆しており、その相転移挙動に関するメカニズムを報告する。

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