大学院理学府 化学専攻 博士後期課程 2 年の梅野 圭太郎さんが第 63 回天然有機化合物討論会「奨励賞 (ポスター発表の部)」を受賞しました。この賞は、年齢が 2021 年 4 月 1 日現在で 35 歳以下であり、以前に同賞を受賞したことのない主発表者の講演に対して与えられます。
梅野 圭太郎 (大学院理学府 化学専攻 博士後期課程 2 年)
マイトトキシンの WXYZA'B'C'D'E'F' 環部の合成・構造確認・生物活性
マイトトキシン (MTX) は、渦鞭毛藻 Gambierdiscus toxicus から単離された梯子状ポリエーテルであり、強力な Ca2+ 流入活性を示す。MTX の WXYZA'B'C'D'E'F' 環部は、三つの核間メチル基が連続した部分と八員環エーテルを含んだ構造を有するため、合成上多くの困難が予想される。当研究室で独自に開発した二環構築型収束的合成法である α-シアノエーテル法を応用することで C'D'E'F' 環部および WXYZ 環部から WXYZA'B'C'D'E'F' 環部を合成することに初めて成功した。