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森川 億人さんと高浦 大雅さんが「第 16 回 素粒子メダル奨励賞」を受賞しました。

  • 2021年9月24日(金)

 大阪大学 大学院理学研究科の森川 億人さんと高エネルギー加速器研究機構 素粒子原子核研究所の高浦 大雅さんが、大学院理学府 物理学専攻 在学中および理学研究院 学術研究員 在職中の研究に対して、第 16 回 (2021年度) 素粒子メダル奨励賞を受賞されました。この賞は、素粒子論を志す若手研究者の優れた研究を評価し、奨励することを目的とするものです。

受賞者

森川 億人 (現 大阪大学 大学院理学研究科 日本学術振興会 特別研究員 PD、研究当時 九州大学 大学院理学府 物理学専攻 博士後期課程)

髙浦 大雅 (現 高エネルギー加速器研究機構 素粒子原子核研究所 研究員、研究当時 九州大学 大学院理学研究院 特任助教)

研究テーマ

Identification of perturbative ambiguity canceled against bion

研究概要

 本論文は、renormalon の問題、つまり特定のクラスのダイアグラムが n-loop で n! の大きさを持ち、摂動級数が収束しないという問題に関する論文である。Argyres-Unsal や Dunne-Unsal は、空間をツイストコンパクト化した時に現れる bion と呼ばれる古典解の不定性がちょうど上記の不定性とキャンセルするという予想をし、これに関連して肯定的、否定的両方の面から多くの研究がなされた。この論文では、bion の不定性はファインマンダイアグラムの個数が n! で増えるという摂動論の通常の不定性とキャンセルするべきであり、renormalon とは関係が無いことを議論した。上記の重要な問題に関して説得力のある説明がなされており、素粒子メダル奨励賞に相応しいと判断された。

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