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兵藤 史さんが日本地球惑星科学連合 2021 年大会「学生優秀発表賞」を受賞しました。

  • 2021年7月26日(月)

 大学院理学府 地球惑星科学専攻 博士後期課程 3 年の兵藤 史さんが日本地球惑星科学連合 2021 年大会「学生優秀発表賞」(固体地球科学セクション) を受賞しました。この賞は、日本地球惑星科学連合 2021 年大会において、優秀な発表を行った学生を表彰するものです。2021 年大会では、400 名を超える学生のエントリーがあり、各セクションにおけるエントリー数の約 5 ~ 10 % が「優秀発表」として選ばれました。

受賞者

兵藤 史 (大学院理学府 地球惑星科学専攻 博士後期課程 3 年)

研究テーマ

月ダイナモの進化に関する数値的研究

研究概要

 現在、月には地球のようなダイナモ作用 (液体鉄からなるコアが流動して電流が流れ、磁場が生成・維持されるしくみ) による磁場は存在しないが、約 42.5 – 35.6 億年前には月にもダイナモが存在していたこと、そしてこの期間の後に月面磁場の大きさが少なくとも 1 桁以上低下したことが古月磁気記録から示唆されている。しかし、この低下が単一のダイナモメカニズムによってもたらされたものなのか、あるいは異なるダイナモメカニズムへの移行を示しているのかどうかは明らかではない。本研究では、月のダイナモが組成対流によって生成されていたと仮定し組成対流ダイナモモデルによる数値シミュレーションを用いて月ダイナモの進化を調べている。我々は、強い双極子ダイナモから弱い非双極子ダイナモに変化するシナリオを発見し、上記の月面磁場の低下が単一のダイナモメカニズムにおける磁場の形態・強さの変化によるものである可能性を示した。この変化の前後ではコア内の流れが大きく異なることから、流れによる磁場生成のしくみが変化したと考えられる。

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