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若狭 教授らの研究グループが三つの陽子の間にはたらく三体力にアプローチする手法の開発に成功しました。

  • 2021年4月27日(火)

発表のポイント

  • 原子核そのもの、原子核が深く関与する宇宙・天文の諸現象を説明するには、三体力と呼ばれる新しい核力の理解が不可欠。
  • 三つの陽子の間に働く三体力にアプローチする実験手法の開発に成功。
  • 陽子とヘリウム 3 原子核の散乱事象の高精度測定から得られた成果。
  • 原子核から中性子星まで、極めて予言能力の高い核力の完成に向けた重要なステップ。

概要

 かつて湯川秀樹は、原子核を構成する力である「核力」として、陽子と中性子の間に働く二体力を提唱しました。今は、重たい中性子星や中性子過剰なエキゾティック原子核を理解するために必要なインプットとして、「三体力」と呼ばれる核力の情報が求められています。今回、東北大学 大学院理学研究科 関口 仁子 准教授、渡邉 跡武 特任助教、九州大学 大学院理学研究院 物理学部門の若狭 智嗣 教授らによる共同研究グループは、陽子とヘリウム 3 原子核の高精度散乱実験を行い、実験的な証拠を掴むのが難しいとされてきた三つの陽子の間に働く三体力にアプローチする手法の開発に成功しました。本研究は、同グループが開発した偏極ヘリウム 3 装置と東北大学サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター、大阪大学核物理研究センター、理化学研究所小型中性子源の各加速器施設を駆使して展開されました。

 研究成果は、米国物理学会誌 Physical Review C の注目論文(editors’ suggestion)に選ばれ、令和 3 年 4 月 12 日 (米国東部時間) にオンライン公開されました。

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