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尾上 教授、奈良岡 教授、冨松 由希さんらの研究グループが大量絶滅と恐竜の多様化を誘発した三畳紀の「雨の時代」 の原因を解明しました。

  • 2020年12月9日(水)

 中生代の三畳紀 (約 2 億 5190 万年前〜 2 億 130 万年前) という時代は、全体として高温で乾燥した気候だったことが知られていますが、その中には約 200 万年間にわたって降雨量が劇的に増加した「雨の時代」がありました。1989 年にイギリスの地質学者らにより、この雨の時代 (「カーニアン多雨事象」とよばれます) の存在が明らかになってから、研究者は長らくその原因の解明に取り組んできました。九州大学 大学院理学研究院の尾上 哲治 教授、奈良岡 浩 教授、熊本大学 大学院自然科学研究科の冨松 由希 氏 (博士 3 年、九州大学 委託研究生)、海洋研究開発機構の野崎 達生グループリーダー代理らの共同研究グループは、神戸大学、千葉工業大学、早稲田大学と共同し、この約 200 万年間にわたる雨の時代は、非常に大規模な火山活動が引き金となって起こったことを明らかにしました。また、詳しい解析の結果により、火山活動の活発な時期に雨の時代が訪れ、海洋での生物群の大量絶滅や陸上での恐竜の多様化といった生態系の変化が同時に引き起こされた可能性を示しました。本研究成果は、2020 年 11 月 25 日 (水) 公開の Global and Planetary Change 誌にオンライン掲載されました。

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