平野信吾研究員 (日本学術振興会特別研究員 (PD)) が 2019 年度日本天文学会「研究奨励賞」を受賞しました。
多くの会員などからの寄付金によって 1988 年度から実施している表彰です。 優れた研究成果を挙げている 35 歳以下の若手天文学研究者を対象に、年 3 名以内を表彰しています。
平野 信吾 (大学院理学研究院 地球惑星科学部門 日本学術振興会特別研究員 (PD))
大規模数値シミュレーションによる宇宙初期の星およびブラックホール形成過程の研究
宇宙最初に誕生する初代星は宇宙再電離や重元素の源と考えられており、その形成過程や典型的質量を明らかにすることは現代天文学の重要課題の一つである。平野氏は星形成過程の環境依存性に着目し、スーパーコンピューターを用いて多数の始原ガス雲に対する初代星形成シミュレーションを実施することにより、初代星が幅広い質量分布を持つことを初めて示した。現実的な宇宙論的設定に基づく一連の計算により、様々な環境の下で誕生する初代星の特徴が理論的に示された。