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庭瀬 暁隆さんが日本放射化学会第 63 回討論会「若手優秀発表賞」を受賞しました。

  • 2019年10月4日(金)

 大学院理学府物理学専攻博士後期課程 2 年の庭瀬 暁隆さんが日本放射化学会第 63 回討論会「若手優秀発表賞」を受賞しました。

この賞は、日本放射化学会第 63 回討論会 (2019) において、優秀な発表を行った若干名の若手研究者に送られる賞です。

受賞者

庭瀬 暁隆 (大学院理学府 物理学専攻 博士後期課程 2 年)

研究テーマ

MRTOF + α−ToF を用いた 207Ra の質量−崩壊特性測定

研究概要

 原子核は中性子や陽子といった核子の集合体が、結合エネルギー分だけ軽くなった状態で安定した系と考えることができる。結合エネルギーは核の存在や安定性を決定する指標となり、核子間相互作用を議論するための最も基本的かつ重要な物理量である。我々は超重核の精密質量測定へ向け、重核の飛行時間とそれに相関した α 崩壊を取得することができる革新的な検出器 α−ToF 開発の開発と性能評価をこれまでに行ってきた。本研究では、最初の加速器オンライン実験として、理化学研究所にて 159Tb (51V, 3n) 反応にて合成される 207Ra の質量-崩壊特性の相関測定を行った。MRTOF + α−ToF を組み合わせた実験系を用いて、初の原子核質量-崩壊特性の相関測定に成功した。また、崩壊事象との相関を取ることによって、高バックグラウンド環境の中でも真のイベントだけを弁別した状態で、飛行時間と崩壊特性 (崩壊エネルギー/半減期) を取得できることを実験的に確認することに成功した。

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