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庭瀬 暁隆さんが第 62 回放射化学討論会「若手優秀口頭発表賞」を受賞しました。

  • 2018年10月4日(木)

 大学院理学府 物理学専攻 博士課程 1 年の庭瀬 暁隆さんが第 62 回放射化学討論会「若手優秀口頭発表賞」を受賞しました。

 この賞は平成 30 年 9 月 18 日 (火) ~ 20 日 (木) に京都大学で開催された 2018 日本放射化学会年会・第 62 回放射化学討論会において、優秀な発表を行った若干名の若手研究者に贈られる賞です。

受賞者

庭瀬 暁隆 (大学院理学府 物理学専攻 博士課程 1 年)

研究テーマ

MRTOF-MS 用の α-ToF 検出器の性能評価

研究概要

 原子核の質量は核種固有な物理量であり、精密に測定する事で原子核の存在限界や安定性に関する知見を得ることができる。我々は、多重反射型飛行時間測定式質量分光器 (MRTOF-MS) を用いて原子番号 104 番以上の原子核の精密質量測定に関する研究開発を進めている。超重核は、小さな生成反応断面積に起因して一度に取り扱える量が極めて少なく、限られた数原子から核種同定を行わなければならないため、測定されたイベントが分子イオンや散乱粒子による偶発事象であるか超重核起因であるかを判別可能にする新しい装置の開発が必要である。我々は質量測定の際に質量値だけでなく、崩壊エネルギーや半減期といった崩壊特性を同時に測定することで、バックグラウンド粒子と真の粒子との識別を行うことを試みている。本講演では、超重核イオンの質量と崩壊事象の相関計測を可能にした新規検出器、α-ToF の開発と性能評価についての報告を行った。性能評価の結果、開発した α-ToF 検出器が超重核の質量測定実験へ適用できる性能を有していることが確認され、今後の MRTOF 実験の主力検出器として使用される。

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