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佐藤准教授が「第14回 船井学術賞」を受賞しました。

  • 2015年5月27日(水)

 このたび、大学院理学研究院物理学部門の佐藤 琢哉 准教授が「第14回 船井学術賞」を受賞しました。

 船井学術賞、研究奨励賞は情報技術、情報科学に関する研究について顕著な功績のあった者を褒賞し、わが国の情報技術、情報科学に関する研究の向上発展に寄与することを目的としており、佐藤准教授は国内の大学あるいは公的研究機関に所属する研究者(民間企業に在籍している人は除く)で平成26年10月1日現在39歳以下の者を対象とする船井学術賞を受賞しました。

受賞者

佐藤 琢哉 (大学院理学研究院物理学部門 准教授)
「超短光パルスを用いたマグノニクスの開拓」

受賞理由(研究概要)

 磁性体中のスピン波を情報媒体として生成・制御・検出するマグノニクスが近年になって注目されるようになった。これまでスピン波はマイクロ波やスピン偏極電流によって生成されていたが、電極等の微細加工による空間的制約がスピン波の任意な制御の妨げとなっていた。佐藤氏はフェムト秒光パルスの偏光自由度を駆使し、光スポットを空間整形することで、スピン波の生成・伝播方向の制御・位相を含めた時間空間分解イメージングを成し遂げた。これらは3つとも世界初の快挙である。また、光パルスの任意の偏光状態を反磁性体のテラヘルツ・磁化振動モードとして1対1で転写し、そのモードを別の光パルスを用いて読み取ることに成功した。この成果は、光が持つ偏光自由度を用いた多重度・偏光メモリーの研究開発につながると期待される。このような光パルスを用いた超高速かつ非熱的なスピン制御によって、光マグノニクスという全く新しい分野を切り開き、新しい光磁気デバイスの可能性を見出した。

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