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平松 准教授が日本光学会「2023 年度光学論文賞」を受賞しました。

  • 2024年4月26日(金)

 九州大学 大学院理学研究院 化学部門の平松 光太郎 准教授が、日本光学会「2023 年度光学論文賞」を受賞しました。この賞は、1960 年に創設され、満 40 歳以下の日本光学会会員であり、光学に関する優秀論文の著作者に対して贈られます。

受賞者

平松 光太郎 (大学院理学研究院 化学部門 准教授)

受賞論文

K. Hiramatsu, T. Tajima, and K. Goda, "Ultrafast, dual-band coherent Raman spectroscopy without ultrashort pulses," ACS Photonics, 9, 3522 (2022).
DOI: 10.1021/acsphotonics.2c00768

研究テーマ

Ultrafast, dual-band coherent Raman spectroscopy without ultrashort pulse

研究概要

 コヒーレントラマン分光法は、高速かつ無標識に分子レベルの構造情報を得られる手法として近年注目を集めている。コヒーレントラマン分光法と顕微鏡を組み合わせた振動分光イメージングや、コヒーレントラマン分光法とフローサイトメトリーを組み合わせた大規模細胞解析法などがこれまでに実証されてきた。応募者らは超短パルスレーザーを用いて時間領域で分子振動を励起・検出する Fourier-transform coherent Raman scattering (FT-CARS) 法を用いて、高速 (24,000 spectra/s) かつ広帯域 (200-1600 cm-1) な振動分光計測を実現するとともに、様々な対象へとその応用を実証してきた。しかしながら、周波数領域で計測を行う CARS 分光法や Stimulated Raman scattering (SRS) 法などと比較したときに、FT-CARS 法では、CH 伸縮振動が観測される高波数領域 (2800-3400 cm-1) が計測できないといった欠点があった。本研究では、これまでに開発してきた FT-CARS 法に用いているチタンサファイアレーザーに同期して発振する Yb ファイバーレーザー (YbF) を併せて光源として用いることで、FT-CARS 法でも高波数領域の計測が可能であることを実証した。

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