九州大学 大学院理学研究院 化学部門の平松 光太郎 准教授が、2024 年度日本分光学会「奨励賞」を受賞しました。この賞は、分光学およびその関連分野に関する優れた研究成果を得た、満 39 才未満の日本分光学会会員に与えられます。
平松 光太郎 (大学院理学研究院 化学部門 准教授)
ラマン分光フローサイトメトリーの開発と大規模細胞解析
振動分光法の一種であるラマン分光法では、分子構造情報を無標識に取得することが可能です。一方で、蛍光計測などと比べ、感度が低く細胞計測などへの応用は未だ限定的です。平松准教授は超短パルスを用いた時間領域ラマン分光法である Fourier-transform coherent anti-Stokes Raman scattering (FT-CARS) 分光法に注目し、無標識大規模細胞解析手法である FT-CARS フローサイトメーターを開発しました。この方法で、マイクロ流路中を流れる個々の細胞のラマンスペクトルを 2,000 細胞/秒以上の高スループットで計測できることを実証した他、振動分光計測に基づく細胞分取への応用などを実現しました。