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清水洋教授らが津波発生領域における歪解放プロセスの一端を解明しました。

  • 2017年11月2日(木)

 片上智史理学研究科博士課程学生、山下裕亮防災研究所助教、伊藤喜宏防災研究所准教授、太田和晃防災研究所特定研究員、八木原寛鹿児島大学助教、清水洋九州大学教授らは、海溝などの沈み込み帯の浅い部分で発生するゆっくり地震の活動の後半で、特に潮位変化によりゆっくり地震が誘発されやすいことを発見しました(図-1)。これらの現象は、沈み込み帯浅部での大きな地震性滑りの原因を理解する上で重要な情報であり、沈み込み帯浅部の歪解放プロセスおよび摩擦特性の理解に向けて重要な知見が得られました。

 本研究では、従来検出されていなかった規模の小さいゆっくり地震を検出する手法を確立し、潮の満ち引きによって津波発生域となる沈み込み帯浅部でごく微小なゆっくり地震が誘発されることを発見しました。東北地方太平洋沖地震時に特に大きくずれ動くことで巨大津波の発生源となった沈み込み帯浅部の歪蓄積過程や摩擦特性など、これまでよく明らかにされていなかった物理過程を解き明かす上で極めて重要な知見です。また、巨大地震や巨大津波発生そのものの統一的理解に大いに役立つと期待されます。

 本成果は9月27日、米国科学誌 「Geophysical Research Letters」 に掲載されました。(https://doi.org/10.1002/2017GL074060)

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