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岩見准教授の研究グループが心不全の新しいメカニズムを解明しました。

  • 2017年4月11日(火)

 九州大学大学院理学研究院の岩見真吾准教授は、千葉大学、自治医科大学、東京大学、科学技術振興機構(JST)等との共同研究により、心不全の新しいメカニズムを解明しました。心不全や慢性腎臓病の新たな治療法に結びつくと期待され、実用化に向けて開発を進めています。

研究成果の概要
①心不全に係わる新たな臓器ネットワークを発見
 心臓病と腎臓病はいろいろなメカニズムでお互いに関連し合っていると考えられています(心腎連関)。今回、心臓–脳–腎臓をつなぐ新しい臓器の連結機構(ネットワーク)を見いだしました。この臓器ネットワークは、心臓をストレスから守る重要なメカニズムです。実際、このネットワークがうまく働かないようにすると、マウスは心不全を発症するようになります。
②心不全発症の鍵となるタンパク質を発見
 心臓を守る臓器ネットワークは、神経と腎臓由来の生理活性分子(コロニー刺激因子)によってつながっていることを見いだしました。心臓では、免疫細胞の一種であるマクロファージが重要で、心筋細胞の働きを助ける「タンパク質」を提供して心臓の機能を維持していることを発見しました。この「タンパク質」を働かなくしたマウスは心不全になりやすく、また心不全を発症したマウスにこの「タンパク質」を投与することで心不全を改善させることに成功しました。

 本研究成果は、2017年4月10日(ロンドン時間)発行の英国学術誌Nature Medicine(ネイチャー・メディスン)オンライン版にて発表されました(https://doi.org/10.1038/nm.4326)。

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