目黒 智成さん

理学府物理学専攻 修士課程2年
物理学科(物理学コース) 卒業

駒込学園高校 卒業

ーそれぞれの分野に進もうと思ったきっかけを紹介してください。

自分の専門分野である、凝縮系理論物理学を選ぶのに決定的だったのは、学部生時代に受けたバンド理論の講義です。これは物質の電気伝導に対する一つの説明を与えます。理論物理というと、数学的で高尚なイメージを受けますが、バンド理論で自分達の身近な物質に物理学を「見た」ことに非常な感動を受けました。それ以来、ずっとこの分野の虜です。

ー大学に入ってからの日常生活の変化を聞かせてください。

大学に入ってからは一人暮らしになったので、高校時代に比べ、やはり自分の時間が増えました。なので、友人と物理や数学の議論をしたり、自主ゼミを開いたり、色々なことができるようになりました。時には寝食すら忘れて、自分(達)の興味に時間をたっぷり使えるようになったことが、一番大きな変化かと思います。

ー将来の夢や希望を聞かせてください。

将来の夢は、それだけで一つの分野を形成してしまうような、大きな発見をすることです。物理学者の内山龍雄曰く「一国一城の主」となるような研究成果。そういったものを一つでも残したいです。

ー九州大学に入る前のイメージと実際に入ってからのイメージについて聞かせてください。

入る前は、山、海、広い田んぼ・・・と、自然に囲まれた立地だと言う印象を受けました。そう言った場所で生活をしたことがなかったので、非常に新鮮な思いをしました。入ってからのイメージも変わらずで、個人的には適度に僻地で学問に専念できる場所だと感じています。

ー学部生の時にアルバイトをやっていましたか。また、サークル、部活などをやっていましたか。

コンビニのアルバイトをしていました。自分はアカデミアの世界に残ることを目指していますが、もしそれがダメになった場合、いわゆる社会経験が全くない人間が出来上がってしまう・・・と危惧したためです(笑)。人との付き合い方など、個人的には非常に良い経験なりました。

ー先輩から受験生に向けて一言メッセージをお願いします。

受験勉強というのは言うまでも無く重要なものですが、一方、往々にして退屈なものです。ただその過程で、なぜこういう解答方法を取ったのか、この問題を解けたら他にどんな種類の問題に応用できるだろう等、あれこれ考えてみることは案外楽しいです。ぜひ、そういった思考の「寄り道」をしていただきたいです。

ー学部時代と大学院に入ってからでは、生活はどのように変わるのでしょうか。

やはりなんと言っても研究中心の生活になります。その一つの面として、教科書で勉強することが少なくなったなと、よく感じます。もう教科書にはまとめられていないようなことを調べて、整理して、自分の研究・問題にどう活かせるかを考える。そういった自主性に任された学生生活になりました。