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田中さん、中川さんが「第5回CSJ化学フェスタ2015 優秀ポスター発表賞」を受賞しました。

  • 2015年11月16日(月)

 大学院理学府化学専攻 博士後期課程2年の田中 佑一さん、修士課程2年の中川 雄太さんが「第5回CSJ化学フェスタ2015 優秀ポスター発表賞」を受賞しました。本賞はCSJ化学フェスタの学生ポスター発表において、(1) 研究に対して発表者が十分に寄与していること、(2) 質疑応答に優れていること、(3) 独自性が認められ、今後の発展が期待できること、の3つの観点からの審査によって優秀な発表を行ったと認められた学生に対して授与されるものです。

受賞者および研究テーマ

田中 佑一 (大学院理学府化学専攻 博士後期課程2年)
3D-RISM-SCF法によるブルッカーメロシアニンの吸収スペクトルに対する溶媒効果・置換基効果の解析

中川 雄太 (大学院理学府化学専攻 修士課程2年)
ルテニウム触媒を用いた不斉C-Hアミノ化の反応機構解析:同位体性不斉化合物のエナンチオ特異的反応

研究概要(田中さん)

 3D-RISM-SCF法を用いることでブルッカーメロシアニンの吸収スペクトルに対する溶媒依存性とその置換基効果を定性的に再現した。また、吸収スペクトルの溶媒依存性を基底状態と励起状態の双極子モーメントの変化から説明できることを示し、溶媒和構造を解析することでt-Bu基の立体障害によって溶媒効果が減少していることを明らかにした。

研究概要(中川さん)

 H/D同位体不斉中心を有する両エナンチオマーは化学的性質が類似するため、その分割は極めて困難である。今回、ルテニウム触媒を用いたC-Hアミノ化の検討において、優れたKIEが観測されることを見出した。本反応の高エナンチオ選択性とKIEの高さからH/D同位体不斉中心を有するアルカン類の速度論的分割が高選択的に行なえるものと考え、同考察のもと検討を進め、速度比最大13と高選択的に進行することを見出した。

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