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平成29年度 奨学金受給者報告書

氏名 Qさん
学科・専攻、学年 数学科 2年
留学先(国名) サンノゼ州立大学(アメリカ)
留学期間 平成29年8月18日~平成29年9月24日

留学内容全体について

 留学を通して予想以上にたくさんの経験をすることができました。なぜなら英語力の向上はもちろん、論理的思考力やプレゼンテーション能力を鍛えることができたり、有名な企業訪問やスタートアップ体験などの貴重な体験をすることができたりしたからです。5週間留学しましたが、1日1日が充実しすぎてあっという間に終わってしまいました。だから今度は交換留学をしたいと考えております。

他国の人たちとの交流を通じてどのような変化がありましたか?

 アメリカの人たちとの交流を通じて、私の思い込みが覆りました。その中でも一番印象に残ったのが、アメリカ人はとても優しいということです。正直留学に行く前はシリコンバレーには変人しかいないというイメージがありました。だからはじめはアメリカになじめるかどうか不安でした。しかし、彼らとの交流の中で変人と思われる言動は一切見うけられず、むしろ彼らの暖かさや親切さをいたるところで実感しました。例えば、ホストマザーのUrmilaは私が間違った英語の使い方をしたらそれを指摘してくれたり、休日にハイキングやサンフランシスコに連れて行ってくれたりしました。また、カンバセーションパートナーのVictoriaは私が英語についていけず困っているとそれに気づいてゆっくり話してくれたり、ファイナルプレゼンテーションの原稿を一緒に考えてくれたりしました。例をあげると切りがないですが、この他にも英語の先生やホームパーティで知り合った人など、たくさんの人から優しくしてもらいました。変人ばかりだという偏見を持っていたことを大変申し訳なく思いました。このように私の思い込みや偏見が覆されることが、アメリカ人との交流を通して何度もありました。なんでこんなに間違った考えや偏見を持っていたのか考えると、私が狭い世界でしか暮らしてなかったからだと気づきました。日本における行動範囲は、日本人だけ、特に同年代の女子だけでした。つまり、同じ人種、同じ年代、同じ性別の人としか付き合っておらず、結果、ほとんど同じ考え方の人しかいなかったのです。確かにこのような環境でいると居心地はいいですが、見える世界は狭くなってしまいます。なので、異なる人種、異なる年代、異なる性別の人ともっと話す機会を増やして世界を広げていこうと思いました。

ゴールデン・ゲート・ブリッジで
ゴールデン・ゲート・ブリッジで

留学によって変化が見られた事項について

 留学によって最も変化が見られた事項は主に二つあります。

 一つ目は、英語の発音です。私はもともと典型的な日本語英語しか喋れませんでした。発音記号がどういう意味かも全くわからなかったし、rとlの違いも区別できませんでした。しかし、今回の留学で発音トレーニングをする機会が多々あり、そのおかげで少しネイティブっぽい喋りができるようになりました。このおかげで、発音記号をどう読むのかがわかったので、これからも発音がもっと流暢になるように練習します。

 二つ目は、論理的思考です。本留学の目的は英語力の向上だけでなく起業家精神を養うためでもありました。後者を目的とするプログラムの一つに、ファイナルプレゼンテーションというものがありました。自分の好きなトピックを一つ見つけ、それを論理的に分析しました。論理的思考力は理学部には特に必要な能力ですが、私にはその能力がなく非常に苦労しました。しかし、松尾さんやホストマザーなどの協力を得てなんとか一位を獲得させていただきました。このおかげで自分の論理的思考力が鍛えられました。この経験は、今後の研究生活に大きく貢献すると思います。

今回の留学がこれからの進路にどのように活かされますか?

 今回の留学で、シリコンバレーに就職したいという意欲が湧きました。シリコンバレーは日本と違って、最先端の技術が集まっていたりアットホームなオフィスだったりと、フレキシブルな環境で仕事をする人たちばかりでした。だから私もそういう環境下で働きたいと強く思いました。そのためにはまだ英語力や専門知識がまだまだ足りないので、交換留学やインターンシップなど、アクティブに様々な活動に参加する予定です。

カリフォルニアオフィス松尾代表と
カリフォルニアオフィス松尾代表と

後輩に向けて留学して良かった事、準備しておけば良かった事等について

 今回の留学を通して気づいたことは、自分の環境を変えるために最も必要なことは自分の意識を高く持ち続けることであるということです。私が留学を決めた理由は、英語力を向上し、日本ではできない貴重な体験をしたいからでした。しかし、いざ留学先に行ってみると、アメリカという環境に圧倒されて日本人の友達とつるんでしまいました。実際そうやって留学を不完全燃焼の状態で終わらせてしまう人は多いです。しかし、留学に行って数日後、ホストマザーのUrmilaが私たちに、日本語禁止の命令を出しました。よほど私たちの意識の低さが露呈していたのでしょう。そこで私のスイッチが入りました。せっかく親に高いお金を払ってもらって、しかも奨学金も頂いて来ているのだから、後悔のないように過ごそうと決意しました。それからは友達といる時も英語で喋る機会を増やし、さらに現地の人とたくさん話すようにしました。そのおかげで英語を話すことに対する壁つまり抵抗感が大きくなくなりました。このように、留学を無駄にしないためにもルールを決めてそれを守り抜くことが必要だとわかりました。だから今後留学したいと思っている人も、ぜひ自分のルールを決めて欲しいです。